アジャイルExcel-ノウハウ(1) べからず集
本ページは、技術文書を効率的に作成・編集する際、文書要素に関わらず守るべきルール、一種の「べからず集」である。
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テキストボックスは地の文書では使用しない
テキストを変更した際の見た目の調整に手間がかかるからである。また、マクロを使わないと検索・置換の対象にならないからである。
趣味やスタイルの問題かもしれないが、テキストボックスはプレゼンに使用する際の補足説明の吹き出しに使うのが効果的であり、地の文書に濫用すると、その効果が薄れてしまう。
隠し行・列・シートは使わない
存在がわかりづらく、存在に気づかず編集してしまった際、文書作成者の意図や工数が無駄になってしまうおそれがあるためである。。
もし画面構成上、常時見せる必要がない行や列があるのであれば、グループ機能を使うべきである。また、見せたくない(おそらく編集させたくない)シートについては、シートのタブの位置や、シート名を工夫して対応すべきである。
複雑な計算式は使わない
計算式が複雑だとメンテナンスするユーザが理解するのに時間を要し、最悪、メンテナンスされなくなるからである。
もし複雑な計算をしたいのであれば、意味のある中間結果を介して、段階的に行うべきである。また場合によってはその計算式の背景のモデルと数式をドキュメント化し、そのドキュメントを参照し、共通の記号を使用するのが遠回りかもしれないが正解だろう。
罫線の種類は最小限に抑える
効果が薄いわりに、メンテナンスが面倒だからである。自己満足に付き合わされる身にもなってほしい。
文字装飾は最小限に抑える
上の罫線と同じ理由である。
図や表のように異なる要素を同一シートに無理にまとめない
データの特性に反するセル結合が必要になり、編集や再利用の手間が発生するからである。
どうしても同一シートにまとめたい場合は上下ではなく、左右に並べ、右側の要素の存在をアピールするため、左側のタイトル以外を「グループ」機能で非表示にできるようにすればよい。
1行目にはデータを入れない
「社外秘」や「Tentative」など、シート間で共通かつ絶対見てほしい文字列を後から挿入する余地を残すためである。共通の文字列は、シートを複数選択して文字を挿入することで効率的に入力可能である。
フッター、ヘッダー機能が本来はその役目であるはずだが、印刷しない場合は、閲覧者の眼に触れないため意味をなさない。
VBAマクロはあてにしない
環境に依存し、新規メンバーのインクルージョンのハードルを高めるからである。
マクロを使えば検索や置換ができるテキストボックスの使用を禁止したのはそれが理由である。
スペースで文字位置を調節しない
データの再利用性が低下するためである。